ルギアの心4

4章 帰還計画?

グラエナが亡くなり、数日が経過する。流石に数日間何も食べない訳にはいかず、アージェが作ったご飯を口にする。これがまたおいしい。
アージェはフラムの事を心配していたが、フラムの様子からみて大丈夫だろうと思った。確かに目の前で友を失ったのはとても辛い。しかし、フラムは笑顔だ。本人も暗い顔ばかりしては駄目だと心に決めている。

「アージェ〜、僕森の中散歩してくる」
フラムが退屈そうに呟く。
「また危ない目に遭うんじゃないかしら・・・?」
アージェは心配そうにフラムをみる。
「大丈夫だよ。凶暴な奴もいないし」
フラムが自信たっぷりげに胸を叩く。
「わかったわよ。きをつけてね。」
アージェが手を振る。
フラムも手を振り、森の中に入って行った。やはり森の中心部は怖いので海岸沿いに近い森を歩いて行った。潮風がとても気持ちよい。雲一つない快晴だ。海はギラギラと光っている。グルリル村を思い出す・・・。
「帰りたいなぁ・・・。」
フラムは海の遠くを見つめる。
砂浜を歩いて行くと、岩場の近くでサメハダーが泳いでいた。カッターのような鰭が青白く光っている。これで海水をかき分けて進むのだ。
「あの〜・・・・」
フラムは声をかける。
「ん?何だお前は?」
サメハダーが訊く。
「僕はフラムです。あの、実は南の島のグルリル村に住んでいた者なんです。船が嵐に遭い、僕は甲板から投げだされ、ここに漂着して、今日に至る訳です。できたら、グルリル村まで送ってほしいんですが・・・。」
フラムは恐る恐る訊ねる。
「ああ、すまん無理だな。」
サメハダーはきっぱりと答えた。
「ええ!?」
フラムは悲しそうな顔をする。
「いやいや、だって俺様とお前の体の大きさを比べてみろよ。俺が海没処分されちまうよ。力になりたかったけど俺様じゃ力不足なんだ。もっとでかいやつに頼んでくれよ。」
サメハダーは申し訳なさそうに言う。
「わかりました。」
フラムがそう答え、おじぎをしてまた歩く。
しばらく歩くと・・・・、
「ありがとうお兄ちゃん!」
「ああ、気をつけて持って帰るんだぞ!」
という声がきこえ大きな岩陰からピカチュウピチューがリンゴを抱えて走って行く。
フラムは岩陰から顔を出して覗いてみた。・・・大きな甲、青く頑丈な鰭、しなやかな首、透き通るような瞳、間違えないラプラスだ。商人だろうか?フラムがそう思った時、ラプラスは岩陰から覗いているフラムをみつけ、声をかけた。
「君?そこでなにしてるの?」
イキナリ声をかけられ、フラムはビクッとした。
「怖がらなくてもいいよ。君に危害を加えるつもりなんてないから。」
ラプラスは淡々とした口調で話す。確かに、陽気な感じだ。フラムは意を決し、岩陰から飛び出すと話した。
「あの!相談したい事があります!!実は・・・・」
「言わなくていいよ。私に乗って故郷に帰りたいのだろう?」
何故知っているのか・・・?
「私には心の中がみえる・・・。君の心の中はそれでいっぱいだ。」
心がみえる?エスパーなのか?フラムは考える。
「私は商人、島から島へと沢山移動してるからな。その頼み、受け入れるよ。」
「!? 本当!!? やったぁ!帰れる!!」
フラムは大喜びだ。
「まだ名前を聞いていなかったね?名前は?」
ラプラスは訊ねる。
「僕はフラム。」
フラムはガッツポーズをしながら答えた。
「そうか、フラムというのか。私はライ・オルガー。この通り商人をしている者だ。宜しくな☆」
ラプラス・・・、いやライは笑顔で言う。
「わーい!ライ君宜しくね!!」
フラムがはしゃぐ。
「ライ君って・・・・・、どこかでも呼ばれた気が・・・?」
ライは考える。






この二匹がまたいいコンビとなるのでしょうか?